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2009年10月

2009年10月30日 (金)

書評--大天使ミカエルの超守護パワー

ピンチをチャンスに変える大天使ミカエルの超守護パワー
ドリーン・バーチュー著 
ランダムハウス講談社 ¥1500

ジャッキー・ニューコムとかダイアナ・クーパーとかの天使本と同列の本なのだが
ミカエルは守護だけでなくて機械の修理も得意であると説明されている。

車やパソコンが壊れてもミカエルに頼むと直るそうな。

と、この本を読んで数日後、バイクのエンジンがかからなくなった。
途中休憩を入れながら200回以上キックしたがNG。
そこでこの本を思い出し、ミカエルに頼んでみると、直ってしまった(笑)

この本には様々な人の天使体験がつづられているのだが、
「たまたまじゃないの?」というレポートも多い。
でも、語り手はそれぞれ「ミカエルのおかげだ」と言っている。

で、僕のバイクであるが、故障の状況からしてやはりミカエルのおかげのような気がする。

書評--BASHAR2006

BASHAR(バシャール) 2006 バシャールが語る魂のブループリント
ダリル・アンカ 著, 大空 夢湧子 訳
ヴォイス \2310

十数年ぶりにBASHARを読んだ。
以前読んだのは新書版になる前のBASHAR1~3

それよりも今回の方がずっと分かり易い。

宇宙の現実化の仕組みを図で示してあったり、
「自分が自分でいることがあなたの仕事」と励ましてくれる。

パラレルワールドの乗り換えについては
「ラムサ--運命のタイムラインを変える」と共通するところがあるし、
前に紹介したリ・メンバーも近いだろう。

スピリチュアルというより、引き寄せの法則に近いかも。

2009年10月28日 (水)

物語(14) 加藤さんとの話

その日、僕は加藤さんとホルモン焼き屋で呑んだ。
チューハイとホルモンをいくつか食べながら加藤さんは話してくれた。
「ホルモンの語源は知っている?”放る物”つまり捨てる内臓だったんだ」
「ここのホルモンは旨いぞ。」
--そんなことはどうでも良い。僕は今日限りで仕事をやめさせてもらう。
と、いつ切り出そうか、と思ってタイミングを見計らっていた。
加藤さんは僕のそんな気持ちに関係なく、話していた。
「ハツってのはハート、即ち心臓だな。シロは最近ではテッチャン、韓国語”大腸”のハングル読みだな・・・」
--ホルモンの解説なんてどうでも良い、僕は辞めたいんだよ!
と思っていた。
そのうち加藤さんは僕の気持ちを見透かしたように言った。
「便器外すの嫌だったろう?でも、嫌なことが一つもない仕事なんてどれだけある?」
--作曲家とか、芸能人とか、自分の好きなことしていると思います。
「作曲家になりたい?なら応援するよ。金田の作った曲を俺が聴きたい。
作曲家も自分の好きなことをするために苦労しているんだけど、そのためにどうする?」
最初に加藤さんに会ったときのように質問された。僕はそれに答える準備はない。
さらに追い討ちがかかる。
「こんな仕事やめたいだろう?」
--はい。
思わず答えた。
「辞めて良いよ。いつ辞める?」
--今日限り
と、答えたかったが、そう聞かれて、僕は小俣君との囲碁がまだまだ続くこととか、
センターにいる職員とか市民とか、僕がしたことに対して声をかけられたり、お礼を言われたり
何故か、そんな記憶がよみがえってきて、
--もしかしたらここで辞めるのはもったいないかな?
と正直に言えば、そう思ってしまう自分もいることに気づいた。

加藤さんは続ける。
「正社員になれば、今より給料が上がるし、資格手当てもあるよ。
電工2種だと\3000/月、電験に受かれば2万/月、冷凍3種で\3000、2種なら\5000、
1種なら\10000だよ。ボイラー2級を取ればとりあえず\3000、
どう、ボイラー講習(*)を受けてみない?」

*ボイラー2級の受験資格は3日間のボイラー実技講習を受けることによって得られる。
 実技講習を得たら1回/月以上の試験を受験して合格すれば2級ボイラー技士の資格が得られる。
 合格率約40%。この数字は1月ほど真面目に勉強すればほとんど合格である。

「どう、正社員になってみる?アルバイトをしているより辞める時期は正社員といっても他の社員と同じように 自由だし、年金も保険も会社が払ってくれて(*)気を使わずに済むだろう?

*正確に言えば会社が全て払うのでなく、本人負担分がある。

「好きなことが9割、嫌なことが1割。嫌なことがない仕事がないとすれば、1割は我慢するしかないんだよ」

そういわれて、これまで福祉センターでの経験で嫌な思いは、僕が前にいた電気工事の現場とか--これは毎日嫌だった。監督からは常に怒鳴られるし、いきなり残業はさせられるし
--と比べて、今日までの2週間でイヤだったことは今日のクサい便器を外すことくらいだった。

--そういう意味では悪い仕事じゃないのかな?
そう、思ってしまった僕は甘いか?

「とりあえず金田君が今より良い仕事を見つけたなら俺は応援する。福祉センターなんて直ぐに辞ちまえば良い。
でも、次の仕事を見つけてから辞めなよ」
--それはそうだ。今でも給料の前借みたいなものだから。
次の仕事を見つけたら辞めよう。そう思った。
加藤「金田!お前の能力と才能と情熱が生かせる仕事を見つけろよ!」
--はい。
もう2時間呑んでいるので加藤さんはほとんど酔っ払っている。
加藤「金田、お前は良いヤツだな」

こういう言い方って、ホントに酔っぱらっているよね。
--加藤さん、帰りましょう。
「そうだな、酔っ払いに付き合わせて悪かったな」
と、加藤さんはふらつきながら2人分の会計を払ってくれた。
僕は自分の分を折半しなければならないと思ったので言った。
--いくらでした?
そんな質問に関係なく加藤さんは言った。
加藤「いや~今日は楽しかったね」
--僕の分の支払いが・・
加藤「金田、明日は正社員の手続きしような。印鑑もってこい。雇用契約書は印鑑がいる。年金手帳もな。
金田は明日から正社員だ。俺の仲間だ、良かったな、ブラボー。ラリホー!」
--って、加藤さん相当酔っ払っているよ。
「今日は嬉しい。最高だ。金田君が正社員になるって言ってくれたからな」
--だからぁ、そんなこと言ってないって!

加藤さんはホルモン焼き屋のまえで躓いてしばらく道路にひっくり返ってしまった。

僕は咄嗟に[加藤さん、どうしたんですか?しっかりしてください」と抱き起こした。

加藤さんはひっくり返ったことに関係なく、そのまま「金田ぁ、明日から正社員になれ~ぇ。」

と酔いながらつぶやいている。そういう加藤さんを見ると、「僕はこの人を裏切れるのだろうか??」という思いにもなる(僕も多少酔っているからね)

それから加藤さんは立ち上がってふらつきながら歩いて自宅の方へ向かった。
--自宅までそれほど遠くないから大丈夫だろう
と思って、加藤さんは放っておいて(いいのかな?)僕は自宅に帰った。

でも、アルバイトより待遇が良くて、いつでも辞められるなら、社員になってもいいかな?

と、明日の出勤準備に印鑑と年金手帳をかばんに入れている自分は何なのだろう?

2009年10月24日 (土)

物語(13) 2週間後

2週間後、何故か僕はまだ福祉センターにいた。
それは加藤さんや趙さんに助けられながら仕事をしていたこともあるし、
小俣君との新しい関係ができたこともあるし
何より、新しいバイト先が見つけられなかったこともある。

電気室や機械室の点検のほかにたくさん仕事を教えてもらった。
掲示物をつけたいから壁にフックをつけて、と言われてもコンクリートの壁が相手じゃ画鋲がさせない。
そんなときは電動ドリルでコンクリートビスを先端につけて穴を開けるのだと、教わった。
いつの間にかドアの開閉が硬くなっている入り口のドアクローザのないドアは「フロアヒンジを調整するんだよ」と教わった。
排水がつまり気味の流し台。バキューム掃除機で吸い出してもうまくいかない場合--廊下にある掃除口(廊下に時々ある10cmくらいの
金属の丸いキャップをはずしてフレキシブルワイアー(スネークワイヤーともいう(カンツールは商品名))を使えばよい、ということも教わった。
だから毎日、教わるばかり--つまりこれからしばらくこの職場にいる、と期待されている、という意味でなかなか言い出せなったこともある。

小学生の小俣君は図書室の囲碁の本を勉強しているようで、最初は4目置かして僕が勝っていて
偉そうに教えていたのだが、最近は4目ではかなわなくなり3目になって互角。
僕を追い越すのは時間の問題だと思うのだが、相手していて楽しい。

で、今日は恐れることが生じた。
加藤さんから「どうしようもない時は便器をはずすしかない」と言われていたのだが本当にそうせねばならなくなった。
便器が詰まっている、というのでラバーカップで一度は流れるようになったのだが
2時間後にまた詰まっているという。
そしてまたラバーカップで流れるようにしたのだが、また1時間後に詰まったという。
お手上げ。
加藤さんに報告した。
「そりゃ何か詰まっているな。便器をはずしてみようか」
--ええっ、便器を外す??@_@
--それって便器を手で持ちあげるということでしょ??
「ゴム手袋をすれば大丈夫」
って、ちっとも大丈夫じゃないじゃん。
--どこかの業者にやってもらえばいいんじゃないですか?
「俺たちがその”どこかの業者”なんだよ」
福祉センターの設備の仕事はセンターの職員ではなくて、下請けの僕のバイト先の○△サービスとかいう会社なのでした。

便器を動かすときに気をつけていたのだが、どこから入り込んだのか知れないけど、ゴム手袋の中が濡れている。ゲーーッ!!
手袋のどこかが破れていたのか、それとも・・・??

そう思っている俺を全く知らないような加藤さんは便器の配管類のナットを外して
「便器って陶器だから扱いに気をつけないと割れちゃうよ」と僕に便器を持たせた。
だから便器を運ぶには両手だけでなくて、しっかり”抱っこ”しなければならない。
作業服につけなないように。って、重いから付くじゃないの!!

それから下の水道に持っていって、何と便器を横にして排水側(つまり便器の下から)ホースで水を注入した。
加藤「これはサイホン式だから途中で何か詰まっている場合は逆からじゃないと詰まっているものが流れ出てこないんだよ・・・」
しばらく逆から水を押し流しているとボールペンがコロッと転がってでてきた。
「こういうものを落としてしまったら流さないで拾って欲しいよね。でなければ拾わなくて良いからせめて流す前に連絡して欲しいよね。
普通の人はそのまま水の勢いで流れると思って流しちゃんだよ。おかげでこんなに面倒になる。
でも知らない人は仕方ないよね」
--仕方ないで済むか!
って、たしか昔に僕も便器にトイレットペーバーの芯を流したことがあるのを思い出した。
その時は”流しちまえ」と思った。吸い込まれるような気がしたが、芯の頭が見えたままで
僕はその場を去った。
今から考えると、ボールペンでさえ詰まり、誰かがこんなに便器を外して直さねばならないことを
考えると悪いことをした、と思った。

--でも、便器を掃除するって、バイトの俺の仕事??

そして、加藤さんは何事もないように便器を元の場所に持って行って、ガスケット(Pシールともいう=便器の下のパッキンのようなもの)を
素手で--って、粘土のようなこんなパッキンはゴム手袋じゃできないわな)を丁寧に取り付けて、元に戻した。
そして洗浄水がうまく流れることを確認すると「復帰したね、完了!」と加藤さんは言った。
僕の思いは完了していない。たくさんの人が使っている便器を素手で触るなんて真似できない。
僕にはこのバイトはできない。

俺はその後、一所懸命に手を消毒した。

今日でこのバイトは辞めよう。そう思っている僕の心境を悟ったように加藤さんが言った。
「今日、一緒に飲みに行こうか?」
そのお誘いはちょうど良いかも。今日限りで辞めることも宣言するちょうど良いきっかけだ。
17時過ぎに加藤さんとモツ焼き屋で呑んだのでした。

  ---続く

2009年10月23日 (金)

書評--星の王子さま

どうして今さらながらここで「星の王子さま」を紹介するかというと

前に紹介した「リ・メンバー」にお勧めとして掲げられていたからである。

何10年ぶり?それとも初めて?

記憶が定かでないが、読んでみてこんなにスピリチュアルな話だと思わなかった。

大人になった今、あらためて読んでみてください。

文庫本になっています。

書評--不死というあなたの現実

不死というあなたの現実
ゲイリー・R・レナード 著, 吉田利子 訳
河出書房新社  ¥ 1,890

同著者の「神の使者」を読み、とても気に入ったので、遅ればせながら
上記の2冊目を読んでいる。

内容はACIM(奇跡の学習コース・・まだ未邦訳--邦訳予定はあるらしい)の内容を噛み砕いて解説しているが
2元性とか赦しとか霊性レベルは非常に高い。

前に紹介した「リ・メンバー」も、先週やっと2度目を読み終えたが
同じ2元性を中心に語られているという意味では、どちらも非常に勉強になる。

「すべてはエゴが創りだした2元性の夢。あなたの役割は全てを赦すこと。そして赦し続けること」

「スピリチュアルを目指している人は情報収集だけで実践が足りない」と書いてあるのには恐れ入りました。

ただし、前作「神の使者」を読んでいない方はそちらから。

オリジナル「トマスの福音書」も途中に入っている。

訳はウォルシュ氏の「神との対話」を訳した吉田利子さん。
とても分かりやすい。

2009年10月20日 (火)

物語(12) 仕事3日目

今日から電気室と機械室の点検は僕一人だ。
点検に出かけようとすると、係長の机のTELが鳴った。
2Fの女子トイレが詰まっているそうな。
--それって設備の仕事ですか?
「給排水だから設備だよ」
加藤さんはラバーカップ(棒の先に吸盤がついている道具)と真空掃除機(*)を取り出して僕を誘った。

--トイレの詰まりに掃除機?
「便器に何か詰まっていて掃除機で吸い取れる場合がある。床が汚れている場合もな」

*真空掃除機は通常の家庭用掃除機と異なり、バキュームの原理なので吸引力が強い。
 しかもほとんどは水も吸い取ることができる。家庭用と比較して少しサイズ的には大きくなるが
 これまでの家庭用掃除機で満足できない方にはお勧め。価格も¥1万以下がほとんど。

2Fのトイレに到着。
--うっ
便器が詰まっているというより、溢れているでないの。
しかもトイレットペーバーとウンコが床に散らばり水浸し。

加藤さんは当たり前のようにバキューム掃除機で床に散らばった汚物を吸い取った。
「こりゃペーパーの使いすぎだな」
床がきれいになると、ラバーカップの使い方の見本を見せてくれた。
「やってみるか?」
--ええ---っ(;;)
まだ便器の中はウンコだらけなのに・・・オマケニクサイ
僕は仕方なし渡されたラバーカップを動かしてみた。
「自分に跳ね返ってこないように気をつけて」
--そんなこと言われなくても気をつけるよ。
って、ラバーカップを上下していると詰まりが少しずつ直っていくようだ。
もう一息、とラバーカップを引くと、汚物の水が僕のズボンに跳ね返ってきた。
--浴びちゃった(TT)
加藤さんは言った。「着替えもシャワーもあるから心配するな。そうやって慣れていくんだよ。前にいたヤツなんて”俺は人のウンコ掴んだからもう怖いものはないぞ”って言ってたよ。」

これは僕のやりたかった仕事ではない?
こんな仕事誰もやりたくない。
そう思う僕の気持ちを見透かしたように加藤さんは言った。
「みんなが嫌がる事だからお金をもらえるんだよ」
--そうかも知れない。確かにそうだ。だけど・・・

便器の詰まりが直ると水はきれいに流れるようになった。
作業服の着替えを渡されて、シャワーを浴びた。ウンコ水が付着したところは丹念に消毒してから
何度も石鹸でこすった。
--他のバイトを探そう。
僕は加藤さんに今日限りで辞めさせてもらうように言おうかどうしようか考えていた。
とりあえず直ぐに他のバイトが見つかるかどうかは分からない。
せっかく2日間仕事を教えてもらって悪いような気がするけど・・・

シャワー室から出ると加藤さんが立っていた。
「お客さんだよ」
指差した方を見ると小俣君が車椅子に乗って近づいてきた。
「今日、昼休みにまたゲームしませんか?」
--この子との付き合いも今日が最後かも。まあ、いいか。
「今日は何が良いですか?」
--何のゲームでも、とくるか?囲碁なら俺は2段やってやろうか?
--君、囲碁はできるの。
「ルールくらいしか分かりません。TVの囲碁講座を見ていただけで、対戦は加藤さんに2回くらい相手してもらっただけです」
(そういえば加藤さんも囲碁をやるとか言ってたな)
--じゃ、教えてあげるよ。
小俣君は満足したように戻っていった。

それから午前中は電気室と機械室の点検で終わった。

昼休み。
小俣君に囲碁を教えた。
--って、これが3回目の対戦?
碁石を持つ手つきもぎこちないし、定石もよく知らないから1手ずつで考えるが
さすがに勝負勘は良いようで9目(囲碁の用語でハンディ:弱いほうが先に9つの石を置く)おかして
完敗。4目置かせてかろうじて俺が勝った。
--オセロや将棋はともかく、囲碁では負けないよ・・
って思えなかった。この子は直ぐに俺を追い越す。それは分かる。
小俣君の形勢が悪くなった時に涙ぐんでいた。

「金田さん、明日も教えてもらえますか?」
(--おお、”おじさん”じゃなくてやっと金田さんになったか!)
気分が良いのですぐさま
--良いよ。
と答えた瞬間、今日バイトを辞めるのは延期か?と後悔した。

午後は蛍光灯の交換のTELがあって交換した。
--って、交換してもちらついている。
「これ、何とかならないかね?」と職員の人に言われた。
部屋に戻って趙さんに相談した。
「それは安定器だな。交換してみて」
安定器は知っている。だけど僕のやっていた電気工事は新築の家ばかりで
器具と取り付けるだけで安定器の不良は修理経験がない。
僕が不安に思っていると、それが顔に出たのだろうか、
「一緒にやろうか?」
と言ってくれた。

棚には200V40W2灯用の安定器他1灯用が山積みにされているのを初めて知った。
安定器そのものをじっくり見るのは初めてだ。
現場に行く。
「まず、電源を切断する。ショートしないようにテープ巻きは分かるよね?」
--分かります。
え?活線?(他の蛍光灯はつけたままにせねば困るので電源は入ったまま)
僕は慎重に電源コードを切断してテープを巻いた。
それから青・赤・黄のコードを切断し、古い安定器をはずす。
「Bはブルーだから青、Rは赤、Yは黄色にそれぞれつなぐ。」
--で、このHとNというのは何ですか?
「HはHOTだから電源の黒、Nはニュートラル。」
--なるほど、そういうことだったのか。
それを納得してからは、かなり手早く交換ができた。

蛍光灯をさしてみる。点いた!
初めての仕事がうまくいくと嬉しい。
先ほどの職員の人も、「よかったわ~これで」
と言ってくれた。

やっぱりこれが仕事の喜びなんだろうか?

2009年10月18日 (日)

物語(11)--毎日勉強

次の日は当たり前のように福祉センターに行った。
午前はまた加藤さんと電気室や機械室の点検。
ん?加藤さんの教え方が昨日と違うぞ?
実は明日から一人で点検するようにポイントを説明してくれているのだった。

昨日僕とオセロをやった車椅子の小学生--小俣君というのだそうだ--がまた今日も
顔を合わせたら聞いてきた。
「今日も昼休みに遊べる?」
--オセロはもっと勉強してからだ。将棋ならいいぞ。
(中学校時代、実は僕はクラスで一番将棋が強かった)
小俣君は「将棋でも良いよ」とあっけなく答えた。
--あの生意気なガキ
って、彼はどうして学校に行ってないのだろう?

それはともかく、今日は水質検査の日だそうな。
各給湯設備の温度を測る。
なぜなら55度c以上で給湯されていないとレジオネラ菌の発生の可能性があるそうな。

(注:レジオネラはアメリカの「在郷軍人」を表す英語に由来する。
1976年、アメリカ、フィラデルフィアのホテルの冷却塔から宿泊していた在郷軍人が感染した。
本来は土壌中に生息する菌であるが、条件によっては水中にも生息する。水温55度で完全死滅する。)

加藤さん「給水の残留塩素も調べるんだよ。ビル管法では遊離残留塩素の場合1ppm以上ないといけないことになっているからね」
--そんな単位もあったっけな・・・
「ppmはparts per millionの略、すなわち100万分の1だね。」

加藤さん「ボイラーではPH(ペーハー:ドイツ語読み)も測るんだよ。PHってわかる?」
--酸とアルカリですよね?
「そのとおり!potential of Hydrogen水素イオン濃度指数だね」
って、そんなことまで知るか!

とにかく試薬をつかって、館内の給水の塩素濃度もを調べて午前は終わった。

昼休みは久しぶりに、朝、コンビニで買っていった弁当をさっさと食べ、小俣君と将棋をやった。
オセロのときにはよくわからなかったけど、駒を持つ手つきは相当うまそうだ。
--でも、僕も将棋の本は何冊か読んで矢倉戦法とか振飛車とか知っている。小学生相手に負けるはずが・・
って、負けた(TT)
「おじさん、次は僕が飛車角落ちで構わないよ」
--ふざけるな!おじさんって呼ぶな!いくら何でも飛角抜きで負けるはずが・・・
って、手を抜かないで懸命にやったのにまた負けた。
そうしているうちに昼休みが終わって、部屋に戻ろうとしたら職員に呼び止められた。
「このドア、見て。ドアがゆっくりしまらないでバタンと閉まってうるさいのよね」
開閉してみると確かにおっしゃるとおり。でも僕に何をしろというの?知るかそんなもの!
加藤さんに相談してみるか。

部屋に帰ると、加藤さんはいなくて(昨日も午後は顔を合わせていない。何をしているのだろう?)
吉沢係長と趙さんが昼休みを終えようとしているところだった。
係長に
--ドアが急に閉まって、うるさいそうなんです。
と報告すると、隣で聞いていた趙さんが
「ドア・クローザーが劣化しているかもね。油漏れていた?」
--よく判りません。
「ドアクローザーのメーカーと大きさをメモしてきて。」
と言われた。
--そうか、あのドアの開閉部についているのがドア・クローザーというのか。
僕は現場に戻ってドア・クローザーが趙さんの言うとおり油が漏れているのを観察し、
大きさを測ってメモしてきた。

現場で趙さんは、ドアクローザーを確認しながら、「やっぱり交換だな」と言った。
僕は趙さんの手伝いをしながら一緒にドア・クローザーを交換した。
すると新品のドア・クローザにしたらとてもゆっくり閉まる。
趙さんが調整してちょうど良い速さで閉まるようになった。
「ここに調整ダイヤル1と2があるよね。1は90度から15度までの閉まるスピード調整。2は15度から0度までの調整。」
--そういえば僕のアパートの部屋にもドアクローザーがついているはずだ。
家に帰って確かめてみようと思った。
僕と趙さんの仕事が終わりかけると、さっきの「ドアの閉まる音がうるさい」といっていた職員が
近づいてきてドアの開閉を確認すると言った。
「さすがプロね。もっと早く言えばよかったわ」

それから午後の仕事は今日は5Fのフィルター清掃。
趙「エアコンのフィルターを定期的に清掃しないとフィルターが詰まって冷暖房の効きが悪くなる。」
フィルターをはずして来て水洗いして乾いたら元に戻す。
--僕の部屋も、実家もそんなことしたことない。帰ったらドア・クローザと一緒に調べてみよう。

吉沢係長の机の上の電話がなる。
そして係長は指示を出す。昨日から見てきて、どうやら係長は技術屋さんでなくて事務専門のようだ。
だから設備の実務は加藤さんと趙さんでやっているのだ。
で、電話がなったときに僕しかいなかった。
「4Fの男子トイレの水が止まらないらしい。金田君、見てきてくれるか?」
(--ふっ、ふっ、トイレの水が止まらないのは昨日やっていますよ)
(必要なものは、ピストンバルブとマイナスドライバーとモーターレンチ(イギリスレンチともいう)を用意して向かった。
4Fのトイレに行ってみたが、どれも”流れっぱなし”ではない。
ふと、手洗いをみると水がちょろちょろ流れている。水栓を最後まで閉めてみたが本当に止まらない。
--これのこと?できねー
部屋に帰って趙さんがいたのでその旨伝えた。
「コマの下に塵がつまっているか、コマが劣化しているか、スピンドルが磨り減っているかだね」
趙さんは材料の棚からコマ(節水コマと新品のスピンドル(ねじ切りしている棒)と工具を取り出した。
ぼくはただ着いていくだけ。
「ここにバルブがあるんだよ」
と手洗いの下の壁に着いているパネルをはずし、バルブを見せてくれた。
たしかに、手洗いの水栓を交換するにはもっと元で水をとめなくちゃね。
でも、こんなところにバルブがあるなんて普通の人は知らないよ。
趙さんが水栓のスピンドルとコマをはずし、新品と交換するとちょろちょろ流れていた水は
ピタッと止まった。
-----------
その日、僕は家に帰って入り口のドアをゆっくり見た。
確かにドア・クローザーがついていて、速度調整のねじをいじってみると早く閉まったり
遅くなったりする。今まで、閉まる音がうるさくて、最後までノブを持って静かに閉めようと努力していたのは何だったのか?
エアコンのフィルターもはずして見たら、埃で真っ白だった。職場で教わったように水で洗った。エアコンの効きが明らかに違うような気がした。

書評--ディバイン・マジック

ディバイン・マジック―願いが叶う七つの秘法 
ドリーン バーチュー著, 宇佐 和通 訳
クレイヴ出版事業部 ¥2600

ドリーン・バーチューの天使系の書籍はかなり読んだが、この本は趣が異なる。
「キバリオン」を使って宇宙のしくみを説き、人生を好転させる秘訣を教えようとしている。

そういう意味では引き寄せの法則や成功哲学と関連が深い。
引き寄せの法則をもっと掘り下げようとする人には勉強になる。
また、天使系でないドリーン・バーチューの本を読みたい方にお勧め。
ただし、内容的にちょっと難解。

CDは聴いていて心地よい。

2009年10月15日 (木)

物語(10)--新しい世界3

午後は趙さんと一緒に仕事をすることになった・・といっても、ほとんどついて歩くだけだ。
最初の仕事は水が流れっぱなしで止まらない便器の修理。
趙さんはチョロチョロ流れの止まらない様子を見て、
「こりゃピストンバルブを換えなくちゃ」といって、機械室の材料のある棚まで僕を連れて行ってくれた。
「便器にはピストンバルブとフラッシュバルブがある」と実物を説明してくれた。
再びトイレに戻って
「まず止水栓を止めないと洪水になっちゃうからな」と配管途中のキャップをあけた。
その中にねじ山がある。そんなところで止めるなんて初めてみた。
考えてみたら、どのトイレもこんな形をしているのだった。

趙さんは慣れた手つきでピストンバルブをはずした。
「この小さな穴にゴミが詰まるとバルブが最後まで降りないで流れっぱなしになるんだよ」
といいながらゴミが他にないのを確認してから新品バルブに換えた。
「どれ、流してみて」
僕はレバーを押したが今度は水が流れない。
趙さん
「止水栓をあけないと・・・」と笑いながら言った。
--あははっ
と僕も笑いながら止水栓を開けてからレバーを押した。
「大便器の水は標準で10秒で15リットル流れるようにするんだ」
僕は頭の中で10秒数えた。そうしたら今度はしっかり止まった。
「これでもうトイレは直せるね」
と言われたけど・・・

それからリハビリ室に行った。
リハビリ室の隣には細長いプールがある。
階段がついていて何でも歩行訓練をするのだそうな。
設備の仕事はそのプールをきれいに保つこと。
そのために水を巡回させてろ過している。
そのろ過する機械を定期的に点検するらしい。
「珪藻土をいれるよ。その前に逆洗浄しないと」
と、また慣れた手つきで機械のレバーを操作していた。

「あと、細かいことは少しずつ説明するから、先に休憩に戻ってていいよ。」
--そういえばもう午後3時か。
と廊下をあるいて戻っていると職員の人に呼び止められた。
「ここの壁にさっき、台車をぶつけてコンセントが割れちゃったのよ。直してくれる?」
見ると確かにコンセントの一部が砕けている。
--はい。
と、僕は設備係の机まで戻って係長に報告した。
吉沢係長は「金田君は電気工事士の資格持っていたよね?一人でできそうかい?」
--まあ、そのくらいなら。
と、休憩時間はどこへ行ったのか、僕は先ほどの機械室の棚にいって
道具箱の中身を調べて、電気部品のありそうな棚を探して、やっとコンセントを探し、
しまった!テスターも忘れないようにしないとな・・・で付け替えた。
--電気の修理もあるとか加藤さんが言っていたけどこういうことだったのか・・・
--とにかく、初めて一人で仕事を終えたのは何となく満足。
そう思いながら片付けていると、さっきの職員の人がちょうど通りかかり、
「ああら、もう直してくれたの。ありがとう!」
と言ってくれた。昔、電気工事の会社で働いていたときは建築中の建物が多かったので
誰にもお礼なんていわれたことなかったので、そんな一言で嬉しかった。。

”仕事とは何のためにやるのだろう”
少しだけ僕にとってのヒントが見つかったような気がした。

それからちょっと趙さんの仕事を手伝うというか見学しているうちに17時になった。
今日は時間が経つのが早い。
帰りに係長から今日の給料を渡された。
本当は日払いでないはずだけど、きっと加藤さんが僕がお金のないのを知って
係長に頼んでくれたんだ、と思った。

--今日はカップラーメンでなくてコンビニの弁当で夕食にしよう。
--缶ビールも1本買おうかな?
と思った自分は、今日だけで辞めるのはいつの間にか忘れて明日も仕事に来るつもりだったことに
気づいた。アルバイトには何となく良さそうな職場だからしばらく続くかも。。

2009年10月14日 (水)

書評--ヤベツの祈り

ヤベツの祈り (単行本)
ブルース・H. ウィルキンソン著, 中村 佐知 訳
いのちのことば社 ¥ 1,050

この小さな本は基本的にはキリスト者向けである、引き寄せの法則や成功哲学のサイドからも勉強になる。。

==旧約聖書「歴代誌上 4章9~10節」より引用==

ヤベツは兄弟たちの中で最も尊敬されていた。母は、「わたしは苦しんで産んだから」と言って、彼の名をヤベツと呼んだ。またヤベツがイスラエルの神に、「どうかわたしを祝福して、わたしの領土を広げ、御手がわたしと共にあって災いからわたしを守り、苦しみを遠ざけてください」と祈ると、神はこの求めを聞き入れられた。

==引用終わり==
このあまり有名でもない部分を詳しく解説しているのが著者である。
ヤベツのように祈ればきっと叶えられる。そう思える一冊である。

書評--豊かさを引き寄せるシークレット

豊かさを引き寄せるシークレット お金、人間関係、心、からだ、スピリチュアル…すべてに成功する法則 (ハードカバー)
ジェームズ・アーサー・レイ著, 住友 進 訳
¥ 2,100 ソフトバンククリエイティブ

「ザ・シークレット」にも登場する著者は量子物理学もよく勉強されていて
私たちもすべての物質も99.99999%が光であること、
ゼロポイント・フィールドの考え方から引き寄せの法則も確かなことなどを詳しく説明しています。
スピリチュアルな人にはお金も集まってくるはず、
お金持ちにふさわしい精神を持たねばお金はやってこない、というのも説得力があります。
引き寄せの法則をより深く学ぶには貴重な1冊です。

聖書の「金持ちが神の国に入るより、ラクダが針の穴を通る方が簡単だ」の
意味は私もずっと疑問に思っていましたが著者の
ギリシア語からの解釈はまさに”目からうろこ”でした。
一つだけ紹介すれば「針の穴」とはエルサレムの旧市に入るための狭い門だということです。

難を言えば「無駄なTV番組を見ている間にスピリチュアルな勉強をしましょう」までは良いのですが、
健康法などは他の書籍に譲っても良かったのではないかと思います。

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