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2009年12月26日 (土)

物語(17)--西郷さんのデビュー

そして何故か次の日から西郷さんが職場に来て、僕が仕事を教えることになった。
普通に電気室を案内して点検項目を教えた。
機械室に行って普通に点検項目を伝えた。

だけど、ボイラー室は違った。
西郷「これは私が前にやっていたボイラーと同じ炉筒鉛管ボイラーですから判ります」
と言った。僕にはよくわからなかったけど点検項目を説明すると
「PH(ペーハー)はドイツ語ですが英語でピー・エイチ、つまりポテンシャル・ハイドロゲン、水素濃度を測定するのですよね。
PH濃度の理想は11.0~11.6です」
なんて語られたら、もう、僕は知らない。
僕「軟水器の記録もあるんです」
と言ったら
「水道水には炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが含まれます。ボイラーにとっては除去せねばならないので
ここに塩化ナトリウムを加えます。そうするとイオン化傾向の差によって・・・」
って、解説されてもよくわからないけど、とにかく西郷さんはボイラーには詳しいようだ。
僕「俺もここに来たばかりでよく判らないです」と言ったら、西郷さんはそれを察したらしく
西郷「ブロー(吹き出し)の意味は判ります?さっき説明したように軟水器で炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムは除けるのですが」

って、知るか、そんなもん!

西郷「珪酸カルシウムと珪酸マグネシウムは、珪素、即ちガラス質ですから硬い沈殿物になります。これらは軟水器では取り除けませんから
ブローするのです」

ともあれ、ボイラーに関しては、僕は(ホームレスじゃなくて、)西郷さんを先生にすることにした。

西郷さんも、本当はすごい人かも知れない。
でも、彼をホームレスにしてしまったのは何だろう??
僕はそれを知りたかった。

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